アジア戦略車を投入 来年には現地生産 ホンダ「ブリオ」
ホンダの四輪車製造・販売法人、ホンダ・プロスペクト・モーター(HPM)社は2日、アジア向け戦略車シティカー「ブリオ」の販売開始を発表した。インド、タイに次ぐ3カ国目の販売で、タイからの完成車(CBU)輸入。ホンダが販売する車種としては最も低い価格帯となり、現在の市場におけるボリュームゾーンといえるセグメントに参入する。
ブリオはハッチバック型の2列シート。他国では、1200ccのエンジンだが、インドネシアでは、スポーティーさを好む若者の需要を見込み、1300ccを採用した。
販売価格帯は1億4900万―1億7千万ルピア(約123万―140万円)。全タイプにABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を装備した。
HPM社の内田知樹社長は「初めての車購入者や、街乗り用の2台目としての需要を見込む」と語った。販売目標は月1200台。今年末までに6千台の販売を目指す。同社の主力車種「ジャズ」は月2千台程度を売り上げている。
来年からは、同車種を西ジャワ州カラワンの既存工場で生産する。再来年には、稼働を開始する新工場での生産を予定している。
ホンダがインドネシアで生産しているのは、ジャズ、CR―V、フリードの3つ。
「ブリオ」のプロジェクトリーダーを務める樋口高広主任研究員は記者会見で、パワーと低燃費の両立をしたi―VTEC技術のエンジン、 衝突時の車体への衝撃を軽減する「G―コントロール」などを説明。「ホンダの技術を詰め込んだ」と語った。昨年のモーターショーで初披露した際の評判は好調だったという。
シティカーのセグメントでは、ダイハツの「シリオン」、日産の「マーチ」などが販売されている。
政府がまとめている「低価格グリーン・カー(LCGC)プログラム」の適用を見込み、HPM社は、ブリオをベースとした3列シートの小型MPV(多目的車)の投入を検討しており、2014年の第2工場稼働に合わせた製造・販売の開始を目指す。(田村慎也、写真も)