山間部にデモ拡大 パプア 1週間、抗議続く

 インドネシア・パプア地方で差別に抗議する大規模デモが起きてから1週間がたった26日、パプア州山間部のエナロタリ、デイヤイ、ドギヤイの3県でデモが行われた。CNNインドネシアによると、3県で約3万人が参加。山間部観光の入り口として知られるワメナでもデモがあった。パプア独立の是非を問う住民投票の実施を要求、差別反対を訴えた。

 当初のデモは、パプア以外からの移住民が比較的多いとされる海岸部を中心に起きたが、先住民の人口比が相対的に多い山間部での抗議行動が本格化した。
 26日のデモは約8時間続き、独立派のパプア旗を掲げた。独立派組織「西パプア民族委員会」(KNPB)の旗を掲げる参加者がいたとの情報もある。
 じゃかるた新聞に送られた、デイヤイでのデモとされる動画には、民族衣装の先住民が弓矢を持って駆け足で行進、「パプア独立」を連呼する様子が映し出された。
 パプアの地元メディア「ジュビ(Jubi)」は、パプア内のインターネット規制により、デモの写真を現地から受け取れなかったと報じている。

■軍人5人停職
 一方、デモのきっかけになったとされる、16日に東ジャワ州スラバヤのパプア出身者学生寮であった学生拘束をめぐり、地区軍管区は25日、身元を明かさずに学生らを怒鳴ったとして、軍人5人に停職処分を下した。
 地元メディアによると、地区軍管区は、軍人5人が「感情的な振る舞いをした」と非難した。これらの軍人の態度は、ネット上で拡散している動画に記録されており、地区軍管区が調査を進めていた。
 しかし、地区軍管区は学生寮であったとするパプア出身者への差別発言との因果関係は否定。「当時の現場はごった返しており、音が明瞭ではない」と指摘した。差別発言の捜査は、警察が担当していることを強調した。
 この学生寮では16日、学生が国旗を侮辱したとの風評が広がり、住民らが寮の前に集まった。学生は差別的発言を受けたとされ、パプア内外での大規模な抗議デモにつながった。(木許はるみ、米元文秋)

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