政策金利5.5%に引き下げ 2カ月連続、迅速な景気刺激狙い 中央銀行
中央銀行は22日、定例の金融政策決定会合後に会見を開き、政策金利の指標金利「7日物リバースレポ金利」を5・75%から5・5%に引き下げたと発表した。2カ月連続の利下げには懐疑的なアナリストも多かったが、スピード感がある策をとり、景気刺激を進めたい考えだ。
昨年は米連邦準備理事会(FRB)による利上げや米中貿易摩擦、さらにはそれらの影響を受けたトルコやアルゼンチンに代表される、新興国通貨の大幅下落といった外的要因の影響を受けて、ルピア安が進行。一時1ドル=1万5200ルピア台まで下がった。
その前後にかけて、「タカ派」的スタンスとされるペリー・ワルジヨ中銀総裁は、「各国の利上げ姿勢からの防御は大事」として、計6回1・75%分の利上げを実施した。中銀幹部は「迅速に利上げに踏み切ったことは、市場に好感された」と主張する。
ただ、大手各行が昨年2桁成長を記録した銀行貸し出しは、ことしに入り伸びが鈍っている。ことしは7%を下回る銀行が多く、業績も停滞している感がある。
足下ではインフレ率は3%前半と安定。為替も1ドル=1万4千ルピア周辺を保っており、昨年比では動きが緩やかだ。
国内のお金の流れが悪い状態での追加利下げは必要だが、時期の見極めが焦点となっていた。
ペリー氏は会見で「世界経済減速の影響を考慮し、成長を推進するための先制措置である」と述べ、従来からの機動的な姿勢の現れであることを強調した。
世界的に利下げ競争が進む中、各国と比較しても政策金利5・5%は依然として高く、投資先としてのインドネシアの魅力は薄れることはない、というのが中銀の見方だ。(平野慧)