独立住民投票を要求 パプア学生デモ 「植民地支配」非難
インドネシア・パプア地方出身の学生ら約200人が22日、中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)周辺でデモを行い、パプア独立の是非を問う住民投票の実施を求めた。明けの明星をデザインした独立派のパプア旗を掲げ、分離独立への意識をより強調したデモになった。この旗を取り締まり対象とする治安当局に挑んだ形だ。
デモ隊は「インドネシアによるパプア人への植民地支配は終わっていない」と訴えた。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領に対し、「パプアに対する人種差別を解決する、最も民主的なプロセスは住民投票だ」として、投票の実施を求めた。
さらに、パプアへの外国報道陣の入域が制限されていることに関し、「国際メディアのジャーナリストにパプアへのアクセスを開くべきだ」と訴えた。
デモ参加者は、パプア出身の学生でつくる「パプア学生同盟(AMP)」や「パプア中央山地学生協会」(AMPTPI)など、20以上の団体から集まった。参加者は上半身裸になり、パプア旗の模様に体や顔をペイント。「ワーワーワー」という叫び声を上げた。2日前にイスタナ付近で行われた学生デモは、インドネシア国旗も掲げ、差別反対を中心に訴えていたが、この日は「独立」を前面に出した。
デモ隊はガンビル駅付近の独立広場を出発し、イスタナまで行進。当初、警察は広場で留まるように制止したが、デモ隊は警察や軍ともみ合いながら、警備をくぐり抜け、イスタナ方面に向かった。(木許はるみ、米元文秋)