ファクファクの市場炎上 パプアでデモ続く ティミカで45人拘束
インドネシア・パプア地方出身者に対する差別に端を発したデモ行動が21日もパプアの各地で続いた。西パプア州ファクファク県では市場が炎上。同州ティミカ県ではデモ参加者45人が拘束された。
アンタラ通信によると、ティミカ県では、同日午前、県議会前に数千人以上が集まり、人種差別に抗議。議長らが現れず、午後1時ごろから、デモ参加者が議会棟に投石した。
同県警察によると、その後、デモ参加者は周辺の警察や軍の車や一般の車両、道路、ホテルを壊すなどした。国軍の支援を受けた警察は45人を拘束。ホテルを損傷、議会に投石したとされる30人や、独立派組織「西パプア民族委員会」(KNPB)の活動家15人がいた。
ファクファク県では20日夜~21日午前にかけ、トゥンブルニ市場などが炎上した。デモ参加者が放火した疑いがある。
CNNインドネシアは、デモ参加者が同県の議会前に独立派のパプア旗を掲げ、住民らのグループが衝突したと伝えた。500人のデモ参加者には、先住民の独立武装組織「自由パプア運動」(OPM)のメンバーも含まれているとする県警幹部のコメントを伝えた。
このほか、同州ソロンでも21日朝、市庁舎前にデモ隊が集まり、昼ごろに解散した。
国家警察はパプア州に機動隊を増派。通信情報省は21日朝から、パプアの一部地域でインターネットを一時規制した。
また国家警察は、パプアでの大規模デモを誘発させたとしてSNSのアカウントを調査。数日で50アカウントを調べ、12アカウントを凍結した。
■OPM関与疑問視
西パプア州の法律支援団体「LP3BH」幹部のヤン・クリスチャン・ワリヌシ弁護士は、ファクファク県の警察がデモへのOPMの関与に言及したことに対し「それは一方的な意見であり、犯罪捜査に基づくものではない。法的な論理のない推定」と疑問視した。じゃかるた新聞の取材に答えた。ファクファクで独立派のパプア旗が掲げられたことに関しては「それは直ちに法律に触れることではない。表現の自由の一部だ」と指摘した。(木許はるみ)