アフリカ市場進出を模索 バリ島で国際会議 大統領「信頼できる友人」
バリ島ヌサ・ドゥアで20日、国際会議「インドネシア・アフリカ・インフラストラクチャー・ダイアログ」が開幕した。未開拓のアフリカ市場で、インフラ整備や通商など、さまざまな分野で商機を探る。53カ国を招待、21日まで開かれる。
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は開幕式典で、「インドネシアはアフリカの兄弟と仕事をすることをとても喜んでいる。私たちはあなた方の真のパートナーであり、信頼できる友人です」とあいさつした。
外務省によると、産業振興、社会資本整備、観光、エネルギー、鉱業、貿易、開発協力などに焦点を当ててセッションが行われる。
予備交渉に基づき、ビル建設や鉱山開発など11件の大型案件・総額8億2200万ドル分の業務契約が締結される見通しだという。昨年の5億8600万ドルを上回る規模になる。
その他にも多くの商談が進められる。車両製造の国営インカと国鉄(KAI)、鉄道通信システムを含む電子機器製造の国営レン・インダストリ、国営建設ワスキタ・カルヤの国営4社はコンソーシアム(企業連合)を立ち上げ、アフリカ市場に打って出る戦略を発表した。マダガスカル政府に対し、鉄道敷設案件を提案している段階だ。
政権は1期目に国内で進めてきたインフラ開発の実績や、国営企業の技術力成長を背景に、アフリカ市場での事業展開を本格化させたい考えだ。
国営企業には債務の増大、人員規模拡大などの課題を抱えている会社も多い。一方で、インドネシア政府のインフラ投資予算は近年伸びが鈍化している。案件を探し海外に活路を求めようとしている。先行してアフリカでインフラ開発を進めている中国などとの競争になる。
開発、技術協力にあたって、インドネシアで賄えない技術や部材は多い。案件が具体的に進めば、外資にも商機が出てくると予想される。(平野慧)