パプアの学生寮で43人拘束 スラバヤ 国旗損傷の写真拡散

 インドネシアの国旗が破損している動画が16日午後、SNSで拡散し、東ジャワ州スラバヤ市の警察や住民が、同市のパプア出身者の学生寮で行われたと疑い、寮の前に詰めかけた。警察は17日、寮生ら43人を拘束後釈放した。パプア出身の学生らは18日、ジャカルタ特別州内で会見し、「人種差別を止めてほしい」などと訴えた。
 パプア出身の学生でつくる「パプア学生同盟」(AMP)や地元メディアによると、動画には破損された国旗が側溝に落ちた様子が記録されていたという。寮の入り口にあった国旗が一時、なくなっていたが、学生は身に覚えがないという。
 警察は17日、学生に寮から出るよう数回呼びかけたが応じず、催涙ガスを寮に向けて発射。フェンスを壊して寮に突入した。
 学生側の弁護士は警察と話し合ったが、弁護士は学生が国旗を損傷したとする証拠を求め、学生の引き渡しを拒否。警察は寮生14人や寮に食料を運ぼうとしたパプア出身の学生ら計43人を連行した。
 AMPなどは会見で、住民や警察から「サル」「パプアを追い出す」との暴言や投石があったと指摘した。両日で、19~56歳の男女5人が手をねんざするなどのけがを負ったという。AMPは通常のデモの際も差別的発言を受けたり、身柄を拘束されたりしていると主張した。「警察や警備隊、軍は人種差別やパプアの学生への抑圧を止め、インドネシア政府は今回の件を調査すべき」と訴えた。拡散された動画については「ホークス(偽情報)だ」と強く否定した。(木許はるみ)

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