174本の木登りに800人 北ジャカルタ 独立記念日の風物詩
独立記念日の17日、北ジャカルタ区のアンチョールにあるカルナファル海岸では、地面に立てたビンロウジュの木に登り、てっぺんに付けられた景品を獲得する「パンジャット・ピナン(木登りゲーム)」が行われた。毎年、独立記念日に行われ、風物詩となっている。
会場には油が塗られた174本のビンロウジュの木が用意され、800人を超える参加者が自転車や扇風機、ウオーターサーバーなどの景品獲得を目指した。
東ジャカルタ区ポンドック・コピ出身のススウォノさん(20)は、トラックドライバーの仲間5人と共に、2年連続で参加。海岸の砂を滑り止め代わりに使いながら、わずか1分足らずで高さ約9メートルの木を攻略した。
西ジャワ州インドラマユからやってきたというチバユさん(27)ら5人は肩車を組んで木の中間付近までたどりつくものの、油に手を滑らせ大苦戦。40分以上挑戦を繰り返した後、他チームのメンバーの助けを借りながらてっぺんまで登り切った。チバユさんがメラプティを手に取って振りかざすと、周囲から歓声が上がった。チバユさんは額にできた擦り傷を指さしながら「体中痛くて仕方ないけど、一番上から眺める景色が最高で、気持ちよかった」と話した。
■仏イ合同チーム結成
幼い頃からパンジャット・ピナンに参加するのが夢だった、と語る南ジャカルタ出身のススさん(39)は、フランス人の会社の同僚アンさん(25)に「クレイジーなレースがあるんだけど、参加しない?」と呼び掛けた。他のフランス人同僚2人を加え、4人で競技に参加した。
賞品は取れなかったが、ススさんは「観客として観ることも好きだが、実際に参加してみて木に登ることの難しさを体感した。一緒に参加してくれた3人に感謝したい」と笑顔を見せた。(高地伸幸、本間太郎)