インドネシアへ「お返し」の歌 JJM小林さんら有志 感謝伝える手段に
「日本を好きでいてくれるインドネシアへのお返しに、日本からインドネシアが好きな気持ちを届けたい」。ジャカルタ日本祭り(JJM)で実行委員長を務める小林一則さん(76)を中心とした邦人、インドネシア人有志による楽曲「インドネシア・マイハート」がこのほど、構想から2年超を経て完成し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された。
有志らはプロを含めボランティアで制作し、邦人が絆のあるインドネシア人に感謝を伝えるための手段として、曲が歌い継がれることを目指している。
楽曲制作のきっかけについて、小林さんは「インドネシアの人たちが日本を好きなことが、日本がインドネシアを好きな理由の一つになっているのでは、とある時気がついた」と語る。日本イベントの盛況ぶりや、インドネシア人大学生による日本語ミュージカル劇団「en塾(エンジュク)」の活動は在留邦人には有名だ。「逆に、日本側からインドネシアへの『好き』を伝えきれてはいない」。思いを表現する方法として、歌の制作を考えた。
日本語とインドネシア語版それぞれを制作していたが、どちらにも同じ歌を親しんでもらえるよう、混合する形に落ち着いた。作詞は小林一則さん、作曲を日本のギターデュオのかりんとう、編曲を音楽プロデューサーの佐々木久夫さん、リードボーカルを歌手の向香織さんが担当した。コーラスとして20人以上が参加している。
歌詞には「また行こうインドネシアへ」という一節がある。帰国後の邦人にもインドネシアでの生活を思い出してほしいという願いが込められている。
小林さんは「曲は一般の人たちが作り、プロが手を加えてくれたもの。自然に、ゆっくり浸透すればいい」という。ことし下半期に開催される複数の日本イベントで披露される予定だ。
楽曲はグーグルで、「インドネシア・マイハート」と検索すれば聞くことができる。概要欄からカラオケ版のダウンロードが可能だ。(大野航太郎、写真も)