リハビリ施設開設へ EPA看護師も勤務 平成医療福祉G現法
病院や高齢者施設などを運営する平成医療福祉グループ(本部・徳島市)のインドネシア法人は9月、リハビリテーション施設「HMWリハビリテーションクリニック」を南ジャカルタのセノパティ地区にオープンさせる。同グループによると、リハビリに特化した日系クリニックのイ国内での開設は初めて。日イの経済連携協定(EPA)の枠組みで日本の同グループ施設で働いた経験のある、インドネシア人看護師らを活用する。
同グループとして初の海外事業となる。新クリニックの事業費は約5千万円。新興国での医療の国際展開を支援する経済産業省の「国際ヘルスケア拠点構築促進事業」として、補助を受ける。
クリニックは通所型施設。2階建ての1階部分を主体に延べ580平方メートルで、診察室やリハビリスペースなどを備える。最新鋭の装着型ロボットなどを導入する予定で、下半身麻痺で自力歩行ができない患者らの回復支援も可能とする。
インドネシア人医師3人、セラピスト3人、看護師2人が勤務する。このうち1人が看護師、1人が介護福祉士の日本の資格を持っている。ほかに、日本人の医師、セラピスト、看護師がアドバイスに当たる予定。
平成医療福祉グループは、徳島県や関東、関西などで病院26カ所、施設・学校86カ所を運営。これまでにEPAによって、インドネシアとフィリピン、ベトナムから看護師や介護福祉士の候補生約400人を受け入れており、うちインドネシア人は最多の228人(看護131人、介護97人)に上る。この3カ国出身者で、看護師と介護福祉士の国家試験に計82人が合格した。
また、新たにミャンマーとバングラデシュから技能実習生を迎える準備もしているという。
同グループ海外事業部の担当者は「インドネシアでは脳卒中の死亡率が高い。麻痺の残っている方も多いが、在宅でメードさんが介護をしている場合もある。まだ普及していないリハビリを定着させたい。EPAで日本に来てくれた人たちに、培った技術を生かせる場をつくりたい」と話している。
クリニックは9月3日にオープン式典を催し、同月9日から診療を開始する予定。(米元文秋)