直行便3カ月「もう一歩」 中部空港 日イ双方の需要喚起を
中部国際空港(セントレア、愛知県常滑市)は7日、中央ジャカルタのフェアモントホテルで会見を開いた。ことし3月に再開したガルーダ航空のジャカルタ~名古屋便の利用状況について、同空港の長江秀久執行役は「期待値まであと一歩」とし、日イ双方で需要喚起を進めていく方針を示した。インドネシア人女優のチェルシー・イスランさんを起用し、中部地方観光と直行便をアピールしていく。
インドネシアと名古屋を結ぶ直行便は、2012年にガルーダ航空のバリ~名古屋線が運休して以来7年ぶり。15年にもジャカルタ~名古屋便の就航計画があったが、収益が見込めないとして頓挫していた。
長江氏は直行便を採算ベースに乗せ、今後も継続していくためには日イ双方の需要喚起が鍵となると指摘。インドネシアの需要喚起にあたり、関西と関東の中間に位置し、両地方にアクセスしやすい立地を広く認知してもらう必要性を強調する。中部地方には名古屋城(愛知県)や松本城(長野県)、伊賀流忍者博物館(三重県)などがあることにちなんで、同空港は昨年、「サムライ&ニンジャ・エアポート」というサブネームを付け、インドネシアでのPR活動を続けていく考え。
一方、名古屋発の便では、ジャカルタ出張の需要取り込みを図る。複数の旅行会社と連携し、出張に特化したプランを用意するなどの対応をしている。
日本政府観光局(JNTO)によると、2017年の訪日外客のうち愛知県の訪問率は8・9%で全都道府県中7位。訪日外客数増加に伴い、同空港では2018年上半期に週380便だった国際線の発着が週460便まで増加した。ジャカルタ~名古屋便は週4便運航。東南アジアでは、バンコクやホーチミン、ハノイなどの直行便が毎日運航している。(高地伸幸、写真も)