EPA改正 交渉継続へ ジョコウィ大統領 安倍首相と会談
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は28、29両日に大阪で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席した。安倍晋三首相との対話では、日本・インドネシア両国間の経済連携協定(EPA)一般見直し作業完了を確認し、年内の協定改正妥結を目指して交渉を継続するとした。中国などの国家元首とも会談し、協力関係を深めていくことで合意した。
ジョコウィ大統領にとっては、再選確定後初めての大規模な国際会議になり、各国首脳から祝福を受けた。
日イEPA改正に向けて、ジョコウィ大統領と安倍首相は、ことし末までの妥結を目指すことで一致した。また、両首脳はことし中に、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を妥結に導く方向性を確認した。
中国の習近平国家主席との会談では、米中貿易摩擦で世界経済が揺れる中で両国の貿易振興について意見交換した。インドネシア側はパーム油の輸出増を目指す。
インドのモディ首相とは、2025年に両国間の年間貿易額を500億ドルまで伸ばす目標の実現に向けて話し合った。17年の両国の貿易額は181億ドル程度。資源や工業製品の輸出増進を図り、約3倍を目指す。両国はインド・太平洋地域における防衛協力についても、協議を続けていく方針だ。
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とも会談した。同国国営石油サウジアラムコと、国営石油ガス・プルタミナが協力して進める、中部ジャワ州チラチャップ製油所拡張計画の策定を、早期に実現することを確認しあった。インドネシアは、石油による収益偏重の財政状態が問題化しているサウジアラビアに対して、住宅建設などのプロジェクトで協力する姿勢を見せている。国営建設ウィジャヤ・カルヤやワスキタ・カルヤが同国に駐在員事務所を置き、事業可能性調査を進めているという。
ジョコウィ大統領は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領やブラジルのボルソナロ大統領、オーストラリアのモリソン首相などとも会談・対話した。
その他、デジタル経済に関して講演し、デジタルインフラの開発や人材育成の重要性を説いた。自国で進めてきた、光ファイバーによる基幹通信回線(バックボーン)を敷設する「パラパリング」計画について紹介した。(平野慧、3面に関連)