競争力32位に急伸 IMD統計 政府、ビジネス効率性向上
スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)がこのほど発表した2019年の世界競争力ランキングで、インドネシアは昨年から順位を11上げて32位だった。経済政策の改革が停滞した昨年と比較して急伸したが、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国の中ではまだ低い位置にあり、さらなるインフラ整備やビジネス環境改善努力が必要となる。
ランキングは1989年から公表している。「経済の状態」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の四つの項目を軸とした235の指標から割り出し、順位付けする。
インドネシアは政府の効率性で25位(昨年は36位)、ビジネスの効率性でも20位(同35位)に上昇したことが全体の数字を引き上げた。インフラについての評価は53位と低く、依然として課題であるとされた。また、現政権の継続した改革による経済成長の実現と並行して、透明性が高い法運用の実現が求められる。
東南アジア諸国連合(ASEAN)ではタイが25位(昨年比5位上昇)、マレーシアが22位(同変わらず)、フィリピンが46位(同4位上昇)だった。構造改革による投資環境進歩や、ビジネスインフラの整備が手堅く進むシンガポールが、トップだった米国と香港を抜き、9年ぶりに1位に輝いた。
政府、ビジネス面の両方で競争力が鈍る日本は昨年から順位を五つ下げて、30位だった。(平野慧)