女性専用車両を導入 MRT ラッシュアワーの2時間
営業運転開始から1カ月が経過した大量高速鉄道(MRT)で、2日から女性専用車両が導入された。朝夕のラッシュアワーの各2時間で、6両編成のうち最後尾車両のみ。女性利用客には「快適」と好評だ。
女性専用車両は午前7時~同9時、午後5時~同7時の朝夕のラッシュアワーのみ、一番後ろの6両目で適用されている。ホーム床には、ピンク色で女性専用車両への乗車位置や適用時間を知らせる案内が書かれている。
女性専用車両近くには警備員が待機し、同車両に乗り込む男性がいれば随時注意して別の車両へ誘導している。車内アナウンスでも女性専用車両導入を伝え、周知活動を進めている。
職場がチプテラヤ駅の近くでたまにMRTを利用するという病院職員のインダ・ポムラシさん(25)は「とても快適に感じるし、導入には大賛成。特に朝夕のみの導入は現在の利用状況に適していると思う」と話した。
運営するMRTジャカルタによると、女性専用車両導入については開業前の2018年から協議を進めてきた。
12月ごろから一般市民を対象にしたアンケートを公式インスタグラムなどを通して実施。有効回答は792人で、必要と答えたのは62%、必要ないは38%だった。
インスタグラムのコメント欄には「安心する」「快適」など賛成意見が多い一方で、「女性のみだと混雑時はより暴力的になる」と他の公共交通機関での経験から不安視する声や、性差別を指摘する反対意見もあった。アンケート結果や日本を含む他国での実施例なども参考に最終的に導入が決定された。
国内ではこれまで、首都圏専用電車(KRL)がラッシュアワーに関係なく常時女性専用車両を設けているほか、首都圏専用バス「トランスジャカルタ(TJ)」では女性専用スペース、女性専用バスが導入されており、浸透している。(上村夏美、写真も)