「ジャワ島外」へ首都移転 大統領が方針決定

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は29日、首都移転計画について閣議を行い、ジャカルタからジャワ島外へ将来的に移転する方針を決めた。首都移転は歴代政権下でたびたび議論され、ジョコウィ政権下では国家開発計画省などが調査を進めてきたが、今後より具体的な検討に入るとみられる。
 内閣官房によると、バンバン・ブロジョヌゴロ国家開発計画相は閣議で、中央銀行や投資調整庁、金融庁などビジネスの中心機能はジャカルタに残したまま、残りの行政・立法・司法の中央の機能を新首都に移すことを提案。ジャボデタベック(首都圏)内での移転案も含めて検討したが、地方の開発に力を入れてきたジョコウィ大統領はジャワ島外に移転する案を選んだ。地域間の経済格差を埋められるメリットがある。
 移転先の候補都市は公表していないが、過去には、スカルノ初代大統領時代に建設された中部カリマンタン州都のパランカラヤ市が候補地に挙がっている。バンバン氏は閣議で、渋滞や洪水、地盤沈下などジャカルタの抱える問題を指摘。移転先の条件として、災害に強く、空港や道路などのインフラがある程度整備されていて、海岸から遠くないことを挙げた。
 移転予算は323兆~466兆ルピアを想定し、民間資金を活用する官民連携(PPP)手法も視野に入れる。実現には5~10年かかるとみている。(木村綾)

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