24日にMRT完工式 来月1日から営業運転
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は19日、ジャカルタの大量高速鉄道(MRT)の完工式を24日に行うと明らかにした。ブディ・カルヤ・スマディ運輸相は「4月1日から営業運転する」と説明。開通を間近に控えているが、運賃が未定なほか、まだ一部施設に正式な許可を出していないとしている。
ジョコウィ大統領はこの日の昼、MRTのホテル・インドネシア(HI)前ロータリー駅からルバックブルス駅まで往復約1時間を試乗。アニス・バスウェダン・ジャカルタ特別州知事やブディ運輸相らも同乗した。
未発表の運賃について、アニス氏は最終調整中だとしつつ、「1キロ1千ルピア程度」になる可能性があると言及。南北線第1区間のHI駅~ルバックブルス駅は全長15・7キロで、全区間乗れば1万5700ルピア程度の計算となる。
また、HI駅からさらに約8キロ北に伸びる南北線第2工区の建設についても、アニス氏は「24日にキックオフさせる」と説明した。
MRTの試乗に先立ち、ジョコウィ大統領は19日朝、首都圏の公共交通や都市開発について閣議を開き、10年間で総額571兆ルピアを投じる方針を確認した。MRTと他の公共交通との統合を迅速に進めていくことで、ジャカルタ特別州や西ジャワ州、ブカシ市、デポック市などの各首長と合意しているという。
12日から行われている一般市民向けの試乗会は応募が殺到する盛況ぶり。ジョコウィ氏は試乗中、「(MRTは)新しい文化になる」と述べ、「例えば、HIで食事をしてスナヤンのオフィスに戻るのに10分もかからない」と話した。
現状、ジャカルタでは自家用車やオートバイを利用する人が多いが、ジョコウィ氏は「将来的にはジャボデタベック(首都圏)の230キロを結ぶようになる」とMRTの利便性を強調。ジャカルタ特別州で導入予定の電子課金システム(ERP)の効果も相まって、自家用車の代わりに公共交通を利用する人が増えるだろうと予想した。
MRTジャカルタのウィリアム・サバンダル社長は、MRTの1日の利用可能人数は6万5千人程度で、将来的には14万人まで増えるとしている。(木村綾、写真も)