能力上昇より居心地重視 「従業員の意識改革を」 第6回静友会で JAC光武氏講演
静岡銀行の取引先同士の親睦団体「インドネシア静友会」は27日、西ジャワ州カラワン県のカラワン工業団地(KIIC)事務所で第6回セミナーを開いた。ジャパン・アジア・コンサルタンツ(JAC)社長の光武大地氏が講演。投資環境や労働環境について話し、従業員の意識改革の必要性を強調した。
光武氏はインドネシア人の労働環境への考え方を約400人が対象のアンケート結果をもとに分析し、「研修などへの参加による能力上昇よりも、職場の居心地を重視する」と説明した。
その上で仕事へのモチベーションについて、所得、安全性、職場環境といった要素を重視し、能力育成やキャリア環境にあまり重きを置かないデータを示した。「(能力開発や出世を経なくても)会社に勤めていれば、勝手に給与が上がるという考え方を変えていくことが必要」と結論づけた。
また、自社での実体験から、意識改革を行わずに能力育成を目的としたセミナーを実施しても、「効果は薄い」と説明した。
職位を上げる場合も実際にヒアリングして、年齢だけでなく、実際に役職について何をしたいのか、という明確な考えがある人かどうかを見極める必要性を強調した。
インドネシア静友会の会員企業はゆるやかな増加傾向にあり、約90社が所属している。(平野慧、写真も)