燃えさまよう漁船 ムアラバル港 約15時間後に鎮火
23日午後3時ごろ、北ジャカルタ区ムアラバル港で、停泊していた船から出火し隣接していた漁船3隻を全焼、その後付近の漁船に燃え広がり、計20隻以上が全半焼した。北ジャカルタ消防局などから計22の消防車、消防艇が出動し、約15時間後に鎮火、火災による死者は確認されていない。同局が発表した。
出火原因は警視庁などが調査中。発火元の船で、給油中に引火したとの報道もある。
火災は同港の東側埠頭(ふとう)で発生した。午後6時ごろ、現場ではホースで海水をかける消火活動が行われていた。消防士のほか、近隣の住民、漁師らも、ホースを支えるなど活動に参加。船の一部はもやいロープが焼け落ち、燃えたまま海上をさまよった。
午後8時半ごろ、出火元周辺では火が落ち着いたものの、西側の船でも火災が発生。出火原因は明らかになっていないが、東側からの漂流物を通して延焼したものとみられる。
対岸の火事を見物していた近隣住民などは一時パニックになったが、その後火が陸地に広がらないよう、焼けた船を丸太で押し出したり、引火を防ぐため燃料が入ったドラム缶やオートバイを遠くへ運んだりしていた。同9時半ごろ、消防車が西側にも駆けつけた。
鎮火後の24日午後3時ごろ、ムアラバル港では、焼けた漁船が集められ、漁師らによって修理や物品の回収が行われていた。
自身の小型船が被害を受けたアシスさん(48)は「底が無事だったのでまだ使える。もう直せない船がほとんどで、それに比べれば良い方だ」と話した。(高地伸幸、大野航太郎)