イサンさんが優勝 予選突破の14人が熱弁 高校生日本語弁論全国大会
第18回インドネシア高校生日本語弁論大会の全国大会(国際交流基金、教育文化省共催)が16日、中央ジャカルタのインドネシア教育文化省内で開かれた。全国から予選を勝ち進んだ14人が熱弁を振るい、忘れないための記憶術を紹介した西ジャワ州チマヒ市出身のムハンマド・イサン・ヒルミさん(17)が優勝した。
イサンさんは「忘れました」と題して弁論し、財布や漢字の読み方、久しぶりに再会した友人の名前を忘れるなどした経験を話した。そこで、自身が実践し始めた、動きや特徴など何かと記憶したいものを関連付けて覚えること▽歌やリズムなど音楽に合わせて覚えること▽運動をして脳を活性化させること——の三つの方法を紹介。「わたしがスピーチを最後まで発表できたのも、この方法が成功した証しです。みなさんもぜひ試して」と締めた。優勝したイサンさんは、ことし愛媛県で行われる世界各国からの参加者による弁論大会に出場する。
2位は「日本語の面白さ」と題して弁論したバリ州出身のイ・マデ・トゥグ・マヘンドラさん(16)。日本ではドキドキと表現する擬音語がインドネシアではドゥクドゥクと異なっており、この違いは心臓が違うからなのか、などと笑いを誘った。
3位は「わたしのいばしょ」と題して弁論したバンテン州タンゲラン市出身のアウドリ・サビタさん(16)、4位は「この世界における愛」と題して弁論したジョクジャカルタ特別州出身のアナンダ・ラフマ・プトリ・リトマダンティさん(15)だった。
審査員を務めた在インドネシア日本大使館の竹山健一参事官は「3年前の審査時より、質問にしっかりと答えられる人が多く、ヒアリング能力が高まっているという印象を受けた」と総評した。
ほか、石井正文駐インドネシア日本大使や国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの塚本倫久所長、インドネシア各地の高校で日本語教育を支援する「日本語パートナーズ」の日本人教師らも出席した。(上村夏美、写真も)