石炭ガス化計画始動 国営2社と米大手 リアウで来年着工
国営石炭大手ブキット・アサムと国営石油ガス・プルタミナ、米系産業用ガス大手エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズはこのほど、石炭ガス化工場建設プロジェクト開始を発表した。地元メディアによると、工場はリアウ州インドラギリ・フル県プラナプに建設。ガス化によりジメチルエーテル(DME)を製造する。現在は事業可能性調査(FS)段階で、2020年着工、22年完工を目指す。
3社は昨年11月に提携の覚書を調印。ことし1月には合弁設立に向けての覚書を交わしている。プラントへの石炭供給量は年間920万トン、DMEなどの生産能力は同140万トン。
ブキット・アサムが石炭を供給し、プルタミナが最終製品として加工する事業をエア・プロダクツが技術的に支援する。
DMEは液化石油ガス(LPG)の代替可能ガスとして国内で注目が集まっている。LPGの約7割を輸入に頼っている現状で、貿易収支改善やLPG価格安定に寄与するとして政府も生産を奨励している。
ブキット・アサムとプルタミナは、国営肥料製造ププック・インドネシアと石油化学大手チャンドラアスリ・ペトロケミカル(CAP)とも提携して、南スマトラ州エニム鉱区で石炭ガス化事業を進めている。(平野慧)