外国人らが侵入か アナック・クラカタウ山
火山地質災害対策局(PVMBG)が噴火警戒レベルを、4段階中上から2番目の「シアガ(警戒)」に指定しているスンダ海峡のアナック・クラカタウ山でこのほど、外国人とみられるグループが入山し、立ち入り禁止区域に侵入した可能性があるとして、物議を醸している。
アナック・クラカタウ山は、活発な火山活動を繰り返す島として世界的に有名。
母体のクラカタウ山は19世紀に欧米にまで波及したとされる大噴火を起こしたこともある。12月22日のスンダ海峡津波発生以前は、周辺の州が観光資源として扱っていた。
スンダ海峡津波はアナック・クラカタウ山の山体崩壊が原因と考えられている。PVMBGは同山の火口から5キロ圏内を立ち入り禁止区域に指定しているが、グループは禁止区域に立ち入った可能性がある。
地元メディアによると、ソーシャルネットワークサービス(SNS)で、アナック・クラカタウ山で記念撮影をする写真がアップロードされて発覚した。5~7人ほどで、欧米系の外見をしていたという。
この集団は17、18日ごろ、アナック・クラカタウ山から15キロほど北東にあるランプン州南ランプン県のスベシ島から住民をガイドとして雇い、山に向かったとの報道もある。
同島トゥジャン村の役場で書記を務めるシャムサムルさん(48)はじゃかるた新聞の取材に、「17、18日に外国人が島に来た事実は確認していない。(津波被害で)みな生活に困っており、ガイドを頼まれればする人もいるだろう」と話した。(大野航太郎、写真も)