国体開催に暗雲? 準備手間取り不安 汚職疑惑も障壁に 来月9日からリアウ州で
リアウ州プカンバルで来月9日から始まる第18回国体だが、全国から約1万人に及ぶ選手や、観客の受け入れ体制の整備に手間取っている。このままでは大混雑を生みかねないとして、大会関係者は危機感を募らせている。
会期は9日から約2週間で、11日夜に開会式を行う。6―11日までの間の来訪者については、実行委員が送迎や宿泊などを手配することになっており、来訪者の急増が予想されている。目前に迫った大会ながら、玄関口となるスルタン・シャリフ・カシム空港では、到着者を宿泊施設に送るための専用テント設営を28日に着手したばかり。29日には送迎などにかかる時間をシミュレーションした。
競技場自体の建設遅れも深刻。リアウ大学内にある野球場では現在も作業員が観客席の設営を急ピッチで進めている。実行委員会は競技自体は予定通り実施できるとしている。
実行委員会によると、29日時点で選手7014人と関係スタッフ2705人、来賓など2312人、報道関係者1221人が登録を行っているという。
会場設営をめぐる汚職疑惑も円滑な大会運営の障壁になっている。汚職撲滅委員会(KPK)は5月、大会関連予算を盛り込んだ州条例案を承認する見返りに現金90億ルピアを受け取ったとして、ファイサル・アスワン州議を現行犯逮捕。賄賂は青年スポーツ局のエカ・ダルマ・プトラ元局長を通じて渡ったとされており、一連の疑惑で複数の州議を含む10人が容疑者に断定されている。
近年の大規模スポーツ大会では同様のごたごたが相次いでいる。昨年11月のSEAゲーム(東南アジア選手権大会)でも資金難などを原因に会場準備が遅れた。選手宿舎建設をめぐっては、民主党のムハンマド・ナザルディン党中央執行委員会幹部が建設会社に便宜を図ったとして有罪判決を受けるなど、政界を巻き込んだ一大スキャンダルに発展した。