7個人2団体を表彰 友好と相互理解に貢献 石井大使
石井正文駐インドネシア日本大使は5日、長年両国の友好関係や相互理解の増進などに貢献した7個人、2団体に在外公館長(大使)表彰を授与した。例年の表彰は2人ほどだが、ことしは日イ国交樹立60周年を記念して枠を増やした。大使は「さまざまな分野で両国の友好関係を築き、深めてきた皆さまにあらためて敬意を表したい」と感謝を伝え、さらなる活躍を期待した。
表彰対象者と表彰の理由は以下の通り。(五十音順順、敬称略、カッコ内は所属先もしくは代表者名)
池田華子(Plus62) 在留邦人向けの生活情報が少なかった時代から数々の生活情報誌を立ち上げ、生活を支援した。これらの情報誌を通じ、在留邦人へインドネシア文化を紹介し、インドネシアの理解促進に寄与した。
小林千絵(JACリクルートメント) 日イ市民交流イベント「ジャカルタ日本祭り」(JJM)の2009年第1回開催からことしの第10回まで、ファンドレージング活動の中心的役割を担い、資金面から支えた。年々規模が拡大するに伴い、準備と運営に必要な人材確保にも尽力し、市民交流の拡大に貢献した。
ジョハン・アガハリ(SOSメディカ) 1990年代半ばのジャカルタに日系クリニックが存在しなかった時代から、日本での修学勤務経験がある唯一の医師として、在留邦人家庭の医療相談に親身に対応した。自身の携帯番号を教え、昼夜、休日を問わず相談に応じるなど、在留邦人の生活を医療面で支えた。
高殿良博 国営ラジオ局(RRI)で勤務する傍ら、現地大学で日本語授業の教鞭をとった。アル・アズハル大学日本文学研究学科教授時代には、招待した日系企業幹部が社の取り組みを紹介する特別連続講義「チャレンジ! 日本に学ぶ」を推進。その後、ブディ・ルフール大学の教授としても日本文化、日本関連情報の発信に尽力した。
竹谷恵美 国内最大規模のコスプレイベント「CLAS:H」(クラッシュ)を立ち上げた、コスプレブームの立役者。ここから選ばれたインドネシア代表が、日本で毎年ある世界コスプレサミットで優秀な成績を収めている。他のコスプレ関連企画も展開し、日本のポップカルチャーの魅力を青年層に紹介した。
野中寿人(青年スポーツ省野球部門アドバイザー) 2005年にバリで少年野球チームを設立したことをきっかけに、07年には代表チーム監督として東南アジア大会で銅メダルを獲得した。また各地で普及活動「野球キャラバン」を継続的に実施して野球の認知度と技術の向上に寄与し、両国のスポーツ分野での交流に貢献した。
目黒雅男 ジャカルタ剣友会での指導に加え、インドネシア剣道協会の組織作りにも長年尽力し、15年の世界剣道選手権大会にインドネシア人剣士の初出場を実現させるなど、剣道の普及・向上に大きく貢献した。また、福祉友の会において書道・絵画の講師を務めるなど日本文化の発信、普及にも貢献した。
縁日祭実行委員会(竹谷大世) 10年から南ジャカルタ区ブロックMで始まった日イ草の根文化交流イベント「縁日祭」で、在留邦人とインドネシア人のボランティアにより、日本の「食」と「文化」を紹介している。特に文化面では、伝統芸能からポップカルチャーまで幅広い日本文化を紹介し、日本への親近感の醸成に貢献した。
神輿連(雨笠俊夫) 09年に在留邦人の有志が発足させた。ジャカルタで在留邦人の技能を結集してつくられた「神輿(みこし)」と「山車(だし)」を活用し、学校や各種日本関連イベントで日本の祭りを紹介。子どもや青年に神輿を担ぐ機会を提供し、日本人と一緒になって神輿を担ぐことで、両国の市民交流の緊密化に貢献した。(中島昭浩、写真も)