ワラサ サブカルで普及活動 ハラル日本食調味料
野菜や果物の卸売業で調味料生産も行っているケム・ファーム・インドネシアが、2017年に開発した日本食用の調味料拡販を本格化させている。日本企業の食品技術を活かし、ハラル認証も取得したブランド名は「ワラサ」。「和」と、インドネシア語で「味」を意味するラサを足し合わせた。普及への方策の一つとして、サブカルチャー文化と融合してのイベントを開催している。
同社などは25日、北ジャカルタ区のショッピングセンター、マンガドゥア・スクエアで「東京・ジャカルタ・アイドルフェスティバル」を開き、日本のアイドルグループ「演歌女子ルピナス組」や「少女コンプレックス」などが出演した。
会場ではケム・ファームが中部ジャワ州スマラン市の工場で生産する、すき焼きや釜飯などの味の調味料8商品とドリンクの素3商品を使った料理や飲み物を販売。ジャカルタの若者にアピールした。
ワラサ販売に取り組む福松敏彦さんは「一般消費者向けに普及させるにはイベントの効果は大きい。知名度を上げ、ホテルや日本食店での利用も増やしたい」と話す。
調味料メーカーは多いが、うま味調味料の主成分であるMSGや保存料は使用せず、着色料もできる限り抑えることで差別化を図る。新発売のピンク色のカレーも主にドラゴンフルーツから色を抽出している。
現在は日本食スーパー「パパイヤ」やランチマーケットなどで販売されている。都市部を中心に業務用、一般消費者両面の需要を発掘したい考えだ。(平野慧、写真も)