支持拡大へつぶやき作戦 候補者、ツイッターに期待 ジャカルタ州知事選 「影響小さい」との声も
七月に行われるジャカルタ特別州知事選の立候補者の間で、ツイッターやフェイスブックなどを活用した選挙活動が盛んに行われている。知事選の有権者七百五十万人の半数以上が十七―三十五歳の世代で、多くがインターネット利用者。若年層の比率が高いインドネシアで、都市部を中心に広まるソーシャルメディア人気を活用し、候補者らは一人でも多くの支持者を獲得しようと躍起になっている。
「私たちはソーシャルメディア対応の専門チームです」。ゴルカル党が擁立したアレックス・ヌルディン南スマトラ州知事の選挙事務所は、最近になってツイッターアカウント「@3tahunbisa」を立ち上げた。調整役を務めるムハマッド・スルヒさんは「選挙で勝つため、候補者の存在をネット利用者に知らせたい」と意気込む。
ツイッターの立ち上げは、ほかの候補者がすでに展開しているソーシャルメディアを使った選挙活動に追随したものだ。州知事選に立候補した六組がそれぞれツイッターやフェイスブックのアカウントを作成しており、アレックス候補はまだ「新参者」。フォロワーは四日午後時点でまだ二人しかいない。
最も多くのフォロワーを獲得しているのが、独立候補として出馬登録した経済学者のファイサル・バスリ氏。同日までに千八百三十五人のフォロワーを獲得し、つぶやきとして三千十七回発言している。
急速にフォロワー数を増やしているのが、独自スタイルの選挙キャンペーンで注目を集めている中部ジャワ州スラカルタ市のジョコ・ウィドド市長(通称ジョコウィ)だ。活動開始からわずか二週間でフォロワー数は千人を超え、ウェブ上で人気を集めている。
福祉正義党(PKS)のヒダヤット・ヌルワヒッド元党首(前国民協議会議長)は、フェイスブックで周知目的のファンページを作成、訪問者からの反応として、サイト内のボタン「いいね!」が千三百二回クリックされている。一方、現職のファウジ・ボウォ州知事のフォロワー数は百三十七人にとどまっている。
政治評論家のファハリ・アリ氏は「若い世代と候補者の間にはまだギャップがあり、ソーシャルメディアを手段として利用することは当然のこと」と指摘する。一方、発言力を持つブログ活動家として有名なウィチャック・ソノ氏はソーシャルメディアを使った選挙活動に懐疑的だ。
「ウェブを利用する有権者の多くは、候補者がソーシャルメディアを活用する前からすでに候補者に対する評価が定まっている」と強調。「フェイスブックの『友人』やツイッターのフォロワーが彼らに投票する保証なんてどこにもない」と述べ、インターネット上の人気が投票行動に直結する可能性は少ないとの見方を示している。