「金でホッとした」 会場も好評 馬場馬術で照井監督
アジア大会馬術の馬場馬術団体種目で日本代表が優勝を飾った。同種目での優勝は、1994年広島大会以来24年ぶり。韓国の6連覇を阻み、照井愼一監督は「ことしは金を取りたかった。ホッとしている」と安堵した。
出場したのは、高橋正直とファブリアーノ58、監督の息子、照井駿介とアリアス・マックス、佐渡一毅とジュース、黒木茜とトゥッツの4組。男女一緒に参加する。0~10点までの得点と演技全体の印象による得点を合計し、それぞれの得点を満点で割ったパーセント(%)が得点となる。
1番手の高橋が69・823%で好発進。照井、佐渡が68%台後半と続き、最終4番手の前に金メダルが確定した。黒木も69%台で終え、日本の最終得点率は69・499%と前回覇者の韓国に1・059%差をつけての優勝だ。
日本馬術連盟名誉副会長でもある竹田恆和日本オリンピック委員会(JOC)会長が表彰式で選手にメダルをかけた。会場の東ジャカルタ区プロマスの国際馬術場は2日に開所したばかり。竹田会長は「最終的に素晴らしい設備になった。きょうのところは全く問題ない」と話した。
■「犠牲祭なく、寂しい」
国際大会の基準に合わせ、馬術場周辺の半径1キロ以内では、イドゥル・アドハ(犠牲祭)の食肉処理が禁止された。
22日は犠牲祭当日。馬術場から約600メートル西の築33年になるバアブット・タウバ・モスクの管理人の妻ムティフィコさん(51)は「例年この時期は大忙し。食肉処理をする人や仕分けを手伝うママさんを雇ってにぎやかになるが」と話す。
アジア大会で道が広く、街がきれいになり好影響があるので、大会開催には賛成だが「去年は牛7頭、ヤギ80頭の寄付があった。子どもたちがじゃれあって騒がしくなる声がことしは聞けないことが寂しいし、子どもたちは気の毒ね」と語った。(中島昭浩、写真も)