花王が第2工場建設 「シェア2倍目指す」 投資額100億円

 花王はインドネシアに洗剤やおむつなどを生産する第2工場を建設する。26日、西ジャワ州のカラワン工業団地(KIIC)で地鎮祭を開催。中間層の拡大に伴う日用品の需要増で各社が積極的な事業展開を進める中、生産能力増強や新製品の投入で対応を強化する。2015年までに全体で現在の倍となるシェア約4割を目指す。(田村慎也、写真も)

 西ジャワ州ブカシ県チカランにある第1工場がフル稼働の状況であることから、第2工場の建設を決定。KIICに第1工場の1.6倍となる14万平米の敷地を確保した。投資額は、用地の確保と新規設備投資を合わせ、約100億円。稼働開始は来年末を予定している。
 新工場建設により、第1工場で生産していた家庭用洗剤「アタック」の生産能力を増強。また、日本からの輸入販売を今年開始した子ども用の紙おむつ「メリーズ」を現地生産に切り替える。
 今年6月に就任した花王本社の澤田道隆社長は、地鎮祭に出席し「将来性があり、花王にとって最も重要な市場の一つである」とあいさつ。インドネシア事業のさらなる発展に期待を込めた。
 花王はインドネシア進出27年目。日用品の中での花王のシェアは現在約18%で、新商品投入や既存製品の販売を伸ばし、15年までにシェア2倍を目指す。
 インドネシアの日用品市場では、拡大を続ける需要を取り込もうと、ユニ・チャームがインドネシア3カ所目の工場を建設。米系プロクター&ギャンブル(P&G)は初のおむつ工場を来年にも稼働させる。花王は、スキンケア製品「ビオレ」と生理用品「ロリエ」のCMにアイドルグループJKT48を起用し、他社の追撃を図っている。
 花王インドネシア社の小泉篤社長は「これまで清潔の面で貢献してきたが、これからは、美・健康に力を入れていく」と述べ、新セグメントへの参入でシェア拡大を図る方針を表明。また、「花王のプレゼンスを高めていくために、各セグメントで20%以上のシェアが必要だと考えている」と意気込みを示した。
 グループ会社の花王インドネシア化学社との連携による相乗効果も見込む。界面活性剤や産業用化学製品を生産する工場が来年1月には稼働。同工場は、今回の第2工場に隣接する立地にあり、原料供給などの面で協力体制を確立する。

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