賄賂要求は即報告を 企業の情報保護約束 日本の弁護士・学者 KPKと意見交換

 日本の弁護士や学者の任意団体「海外贈賄防止委員会」は18日、南ジャカルタ区の汚職撲滅委員会(KPK)を訪れ、KPK副委員長4人と日系企業における汚職対応について意見交換した。KPK幹部は「賄賂を要求された場合には必ず報告を」と呼びかけ、「報告した企業側の情報は100%保護する」と強調した。

 KPKは大型汚職事件の独立捜査機関として2003年に設置、政財界の大物の汚職を追及し、国際的評価を得てきた。
 この日、投資の障害となっている賄賂の問題を深刻に受け止め、KPKの副委員長4人全員が会議に出席、企業保護に向けた対応を約束した。
 KPKのラオデ・ムハマッド・シャリフ副委員長は「インドネシアに投資する海外企業への賄賂が横行することは、投資環境を悪化させ、競争力を弱めている」との認識を表明。今後さらに民間企業への対応力を高めるように活動するとした。
 日本の弁護士側は「賄賂要求を報告した場合、関係が悪化し、ビジネスを円滑に進められないことが危惧される。報告後の対応はあるのか」と質問。
 これに対しラオデ氏は「報告した企業の情報を守ることに加え、賄賂を要求した個人を処することはできる」と説明。「不正に関与した個人を解任させた上で、企業は後任の担当者と新たな関係を築いてほしい」と答えた。
 贈賄で罰せられる企業が出ないよう、KPKが作成した汚職に関するガイドラインを弁護士らに渡し、日系企業への周知を求めた。
 外国公務員への贈賄ではこのほど、タイの発電所建設をめぐる贈賄疑惑で、日本で初めて司法取引が適用され話題になっている。
 海外贈賄防止委員会の西垣建剛さんは、「この件を受けて今後、日本の検察側は積極的に海外贈賄の取り締まりを行っていくだろう」と指摘。「こうした状況の中で、KPKと話ができたことは今後の連携につながる良い機会となった」と話した。(上村夏美、写真も)

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