200人逮捕、20人射殺 国家警察2カ月で 過激派掃討を強化

 国家警察は16日、5月に発生した東ジャワ州スラバヤ市の3教会や市警察本部などで起きたテロ事件以降、イスラム過激派組織の構成員ら計200人を反テロ法違反の疑いで摘発、うち20人を射殺したと発表した。同事件以降、5月に改正反テロ法が施行され警察は過激派掃討を強化、抵抗したとみなした場合、射殺も辞さない構えを見せている。
 ティト・カルナフィアン国家警察長官は16日、収監中の過激派組織ジャマア・アンシャルット・ダウラ(JAD)構成員らによる暴動が5月に発生した西ジャワ州デポック市の警察機動隊拘置所を訪れ、「国はテロ組織より強いということを示すため、国家警察はテロ組織の構成員摘発を続ける」と強調した。
 200人のうち約50人はジャカルタ特別州内で逮捕し、いずれもJAD構成員とみられると説明。過激派組織への勧誘行為など摘発対象を拡大した改正反テロ法を適用していると話した。
 過激派掃討は全国各地で展開されている。14日夕、ジョクジャカルタ特別州スレマン県カリウラン通りで、警察対テロ特殊部隊(デンスス88)が3人を射殺した。地元メディアによると、数人は警察に抵抗して撃ち合いになり、通りを走っていたトラックを乗っ取り、女性1人を人質に取って逃走しようとした。1人は逃走し、警察は3人を射殺、1人を逮捕した。
 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が15日、同県を訪問する直前の出来事だったという。
 15日未明には、オートバイに乗った夫婦2人が西ジャワ州インドラマユ県警察本部に突入し、鍋型爆弾を投げ込んだが爆発しなかった。警察は2人を反テロ法違反の容疑で逮捕、同事件に関与した疑いがあるとして、同県で11人を同法違反の容疑で逮捕した。このうち4人が保管していた爆弾は爆竹のような火薬を缶に詰め込んだだけの簡単なつくりだったという。
 警察は一連の事件はJAD構成員の犯行とみられるとしている。
 これまでの調べで、東ジャワ州パスルアン県の民家で今月5日、製造中の爆弾が爆発した事件で、爆弾製造者(逃亡中)は2010年ごろに北スマトラ州メダン市で発生した連続銀行襲撃事件に関与し、収監されたことのある元受刑者だったことが判明した。
 市街地での銃撃戦にも発展した同事件は当時、アチェ山間部で実施された軍事訓練やテロ実行の資金調達を目的に、JADら複数の過激派組織の指導者が主導した。警察は現在、JADなどの流れをくむ元受刑者らが、警察を主要な攻撃対象として新たなテロ要員を勧誘しているとみて捜査している。(配島克彦)

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