漁船40隻が炎上 バリ島ブノア港 鎮火に13時間、負傷者なし

 9日午前2時(インドネシア中部時間)ごろ、バリ島ブノア港の漁船で火災が起き、少なくとも40隻が焼けた。消防車21台、警察放水車が出動し、13時間後の午後3時ごろに鎮火した。デンパサール市災害対策局(BPBD)によると、負傷者はなかった。在デンパサール日本総領事館によると、邦人の被害の情報はない。       

 警察は船内の電気系統のショートが原因とみて、焼けた漁船の船員ら13人から話を聞くなどして原因の特定を進めており、実況見分を2日間かけて実施する。
 現場は、デンパサール側からヌサドゥア方面に続くマンダラ海上高速道入り口に入らず、南下した所にあるブノア港の西埠頭(ふとう)。
 消火活動は、埠頭周辺の水位が低く水の確保に手間取ったために難航。燃料にも引火し、隣接した漁船に燃え広がり、警察の放水車も出動した。大量の黒煙が上がったが、同高速道の通行や空路に影響はなかった。
 BPBDによると、焼けた漁船のうち15隻は水産加工・輸出会社の所有。残り25隻は未確認。
 放置されていた船がほとんどで、使用中の漁船は数隻だったとみられ、バリ島南部ヌサドゥア在住の邦人は「西埠頭にはマグロ漁船が放置されていた」と話した。
 地元メディアによると、損害額は漁船1隻当たり30億〜50億ルピアで、合計1250億ルピアに上るとみられる。
 火事があった西埠頭では、2017年に漁船3隻と海洋水産省の監視船1隻を焼くなど少なくとも2回の船上火災が起きた。
 ブノア港があるタンジュンブノア沖では、ユドヨノ政権下に埋め立て開発計画が持ち上がっている。
 埋め立て計画をめぐっては、バリ・ヒンドゥー教の高位僧たちが、ブノア港周辺は寺院などがある「聖域」だと16年に宣言、環境団体や反対住民らは開発の根拠となる大統領令(14年51号)の撤回を要求している。(中島昭浩)

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