1日から数次ビザ発給 観光客誘致へ門戸拡大 インドネシア人の日本入国
日本外務省は29日、観光や親族訪問などを目的に日本を訪れるインドネシア在住のインドネシア国籍の人に対し、来月1日から、有効期間中は何回でも使用可能な短期滞在数次ビザの発給を開始すると発表した。有効期間は最大3年間で、1回の滞在期間は15日まで。インドネシアから日本への訪問客数は今年7月、単月で過去最高の7800人を記録するなど増加傾向にある。訪日外国人観光客数の増加を経済成長戦略の柱の一つに掲げる日本は、ビザの取得要件を緩和することで増加幅の大きい東南アジア諸国からの観光客の一層の取り込みを図る。
これまで観光目的の日本訪問は、1回のみ入国が可能な1次ビザ(滞在期間は最大90日)があったが、短期間に複数回の訪問をする場合でも、その都度ビザを取得する必要があった。数次ビザの発給が開始されることで、頻繁に日本を訪問するインドネシア人の利便性が向上することになる。
これまで数次ビザはビジネス目的の場合に限り発給されていた。ビジネス目的の数次ビザは、有効期間は最大3年間で、1回の滞在期間は90日まで。
東南アジア諸国ではマレーシアでも同日から数次ビザの発給を開始する。タイでは6月から発給を開始。7月単月の訪日客数が過去最高を記録するなど、観光客数増加の一因となっている。
玄葉光一郎外相は28日、夕食会を行ったインドネシアのジョコ・スヤント政治・法務・治安担当調整相に対し、数次ビザの発給開始について、「両国の人的交流がますます拡大していくことを期待する」と語った。
外務省は「インドネシアから日本への観光客の増加やビジネス面での利便性の向上などにより、日本とインドネシアの交流が一層発展することが期待される」としている。
数次ビザ発給の手数料は65万ルピア。対象者や必要書類など詳細は在インドネシア日本大使館ウェブサイト(http://www.id.emb-japan.go.jp/index_jp.html)で。