買収価格を決定へ 国営企業省 フリーポート株式
国営企業省は21日、米鉱業大手フリーポート・マクモラン社のインドネシア法人の株式51%の買収価格が、最大70兆ルピア程度になる試算を発表した。財務、エネルギー鉱物資源、環境林業の各省と協議して決定し、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領にも提出済み。世界有数の金・銅山であるパプア州グラスベルグ鉱山で、安定した生産を進めるために完了を急ぐ方針だ。
国営企業省の産業戦略・鉱業事業・報道担当のファジャル・ハリー・サンプルノ副局長は記者団に対し、「買収額は42兆ルピアから70兆ルピア」と発言した。株式買収による円滑な経営権移行のために、フリーポートとの間で合意した銅製錬所建設や、輸出税の支払いなど税務面を解決した上での特別鉱業事業許可(IUPK)の取得などの課題について、今後詰めていく考えを示した。
買収資金は国営をはじめとする銀行からの融資や債券発行などで調達する。
政府は2017年1月に
銅の未加工鉱石の輸出を禁止し、フリーポートの保有株式51%のインドネシア側への売却とそれに伴う事業許可(採掘権)付与について交渉してきた。同年8月に株式売却や政府が求める銅精錬所建設を22年10月までに完了させるなどの条件で合意し、41年まで20年間の契約更新が可能になるとされている。(平野慧)