帰省渋滞、大幅に緩和 ジャワ島横断高速道路 未完成区間供用で
レバラン(断食月明け大祭)の帰省シーズンに合わせ、建設中のジャワ島横断高速道路(トランス・ジャワ)の約760キロが供用された。同高速道の建設は、インフラ開発を進めるジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領の目玉事業の一つだ。利用者からは渋滞が大きく緩和されたと喜ぶ声が聞こえる一方、改善点も指摘された。
東ジャカルタ在住の会社員、ナルスム・イブヌ・ラムドハムさん(30)は家族5人で11日の早朝、古里の東ジャワ州マディウン県に向けてマイカーのダイハツ・シニアを走らせた。まず、東ジャカルタからチカンペック高速道に入り、中部ジャワの東ブルブスを過ぎると臨時供用されている未完成区間に入る。「休憩所の入り口は渋滞していたけど去年に比べたら早く進んでるよ」と喜んだ。
■9時間早く到着
ナルスムさん一家はスマランで高速を降り、古里に到着したのは同じ日の午後8時ごろ。全行程は約650キロ。ナルスムさんは「これまでは24時間かかることもあったけどことしは15時間で着いた。未完成でも高速がつながったのはよかった」と話した。しかし「未完成区間では休憩所が少なく、2歳の子どもがぐずる時があった」と不満も漏らした。
ジョクジャカルタ特別州で州内の大学に通うイフサン・ナタウィジャヤさん(20)は友人と一緒に西ジャワ州ボゴールに乗用車で帰省した。スマランから未完成区間の高速を通常の帰省とは逆に西に向かった。イフサンさんはチカンペック高速道で渋滞に巻き込まれたものの、古里へは普段より3時間ほど早く着いたという。「未完成区間はでこぼこのところもあった。来年は整備されるとうれしい。あと、場所によっては街灯が少なく暗いと思った。来年はついてるといいな」と期待を語った。
ジャワ島横断高速道は西端のメラック港〜東端バニュワンギまで全長約1200キロをつなぐ。政府は2019年内の完成を目標に建設を進めている。(泉洸希)