経済、安保で積極発信 ユドヨノ大統領訪中 香港も初訪問

 ユドヨノ大統領は二十四、二十五の両日、出稼ぎ労働者を中心に約十五万人のインドネシア人が居住する香港を訪問し、二十二日からの中国訪問の日程を終えた。欧州の金融危機による経済不安が残る中、高成長を維持する両国が経済分野での協力をさらに深めることで一致。ユドヨノ大統領は訪問中、安全保障や国防分野についても積極的にインドネシア政府の見解を発信し、中国などに次ぐ新興国としての国際社会での発言力向上を印象付けた。大統領は二十五日、次の訪問先の韓国ソウルに到着した。

 ユドヨノ大統領は二十四日、大統領就任以来初めて香港を訪問し、同日、香港政府のトップ、曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官と会談。二十五日には出稼ぎ労働者の代表者など在住インドネシア人約百人との懇談会を開催した。
 曽行政長官との会談では貿易や投資、インフラ、社会文化、観光分野などの協力について話し合った。香港との貿易額は二〇一〇年の五十億ドルから昨年は六十億ドルに増加している。
 家庭内労働者を中心とした出稼ぎ労働者の問題に関してもより協力を深めていくことで一致。大統領は「インドネシア人出稼ぎ労働者は香港経済の発展に貢献していると受け止められている」との認識を示した。
 訪中二日目の二十三日には、胡錦涛国家主席、温家宝首相、呉邦国全人代議長ら中国政府の首脳と相次いで会談。翌二十四日の記者会見で「われわれは正しい道を歩んでいるという点で一致した」と振り返った。
 両国の経済成長が高水準で推移していることについて触れたほか、インドネシアの軍事力増強についても言及し、「インドネシア経済が成長し、国家予算も拡大している中で、国防力を強化するのも当然。世界から見下されたくもない」と訴えた。
 大統領は二十三日には、名誉博士号を授与された清華大で「アジア太平洋地域の平和と繁栄のためのインドネシア中国の戦略的パートナーシップ」と題して講演。「われわれは平和と繁栄のための安定した秩序を守るため、地域の枠組みをより発展させていかなければならない」と両国のリーダーシップの重要性を強調。
 中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部加盟国が領有権を争う南シナ海問題にも言及。米国や日本などが中国の強硬姿勢に警戒感を示す中、「南シナ海を紛争の場と見るべきではない。すべての当事者が利益を得られる協力の場と捉えるべきだ」と語った。

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