バリオ、デザイン一新 年間目標100万台 ホンダ
二輪車製造・販売のアストラ・ホンダ・モーター(AHM)は16日、北ジャカルタのホテルで、フルモデルチェンジした「ホンダ・バリオ」の125と150の2モデルを発表した。外装デザインを一新、エッジをきかせた前モデルから、エッジと曲面を組み合わせた陰影のついたボディラインとなり、高級感のあるスポーティーなモデルに仕上がった。
バリオは、ビートに次ぐ人気のスクーター。インドネシアでの展開は、2008年にバリオ・テクノとして発売、その後10年にバリオ・テクノ125、15年には125CCと150CCの2モデルを発表した。今回の新モデルの投入で、150が60万台、125が40万台の合計100万台の年間販売を目指す。
新モデルは、バリオのアイデンティティーとも言われるV字をかたどった二つの鋭利なヘッドライトに新たにLEDポジションライトが備わり、進化したスポーティーな印象となった。リアライトも含め、すべての照明にLEDライトを装備、フル・デジタルパネルを採用、ステアリング・ハンドルがよりコンパクトで、マフラーも短くなっていることから取り回しも向上した。スマートキーや盗難防止アラームなども装備している。
排気量150CCのバリオ150は出力のアップとともに、アルミ製のペダルやスポーツスタイルのマフラーを装備、つや消しカラーのバリエーションでより落ち着きのある高級感を出し、125CCは、印象的なストライプラインでキャラクターを強調した。
価格は150が2250万ルピア。カラーは白とつや消しシルバー、赤、黒の4色。125は、コンビ・ブレーキ・システム(CBS)とアイドリング・ストップ・システム(ISS)装備車が1990万ルピアで、白、赤、黒の3色。CBSのみが1910万ルピアで白、黒の2色。
■二輪車販売回復の兆し
AHMの井沼俊之社長は、18年第1四半期の小売販売状況について、「決して楽観視しているわけではないが、足元では回復の兆しが見える」と語った。17年の第1四半期は、金融庁(OJK)のローン規制強化や登録手続き料の値上げにより非常に厳しい販売状況となったが、悪かった17年だけではなく、16年などとの比較も加味し、総合的に回復傾向に入っていると判断。ジャワ島、特に西ジャワ地域の販売が伸び始めているのが明るい要素とした。インドネシア二輪車製造業者協会(AISI)発表の第1四半期の卸販売については、新モデル発表など政策的な市場在庫の調整などの要素があったとした。(太田勉、写真も)