【トップに聞く自動車販売】成長から成熟へ HPM 渡邉丈洋社長

 インドネシアの製造業をけん引する自動車メーカーのトップに、見通しや話題の電気自動車(EV)の展開を聞く。2回目は、ホンダ・プロスペクト・モーター(HPM)の渡邉丈洋社長。「成長より成熟が今後の戦略」と語った。 

 ——昨年を振り返って。
 渡邉社長 2017年は全体的に乗用車の販売が芳しくなかった。ホンダは3%ほど落とした。13年以降、国内市場が縮小する中でもホンダは着実に販売を伸ばしてきた。それは、ボリュームゾーンといわれる小型多目的車(MPV)や小型SUV、LCGCに新車を投入して大きなパイを取ってきたから。具体的には、ブリオ、モビリオ、BR—V、HR—Vなど。17年は、それらボリュームゾーンへの新モデル投入を行わず、顧客にフォーカスする年だった。

 ——その戦略、取り組みは。
 顧客への対応、満足度アップに、販売店と一体になって取り組む。ここ数年、多くのモデルを市場に投入してきたが、それを総括し、顧客との絆、それを支える体制を一度しっかり見直す。ギアを上げてきた成長拡大戦略から、サービスの質を重視する成熟戦略、ブランド戦略に移行する。一度ご縁のできた顧客には、次もホンダの車に乗ってもらうようにしたい。「ライフタイム・オーナーシップ・ロイヤルティ(LOL)」という言葉がある。生涯の中の各ステージごとに、合わせた車を選んでもらう。インドネシアでも、そのラインアップは充分にそろった。顧客と生涯にわたる関係を築いていくのが、これからの戦略。

 ——ことしの見通しは。
 17年と同等の市場規模となると予想する。その一方、17年後半以降、各社、新発表モデルや人気モデルの新型を投入しているので、非常に厳しい競争になると考える。ことしも、MPV、SUV、そしてLCGCは伸びる市場。強力な競合車が増えていく中でも負けない戦いをする。
 また、今までスポーツ路線に力を入れエッジを立ててきた。
 ことしはそれに加え、ブランドとしての新たな価値を訴求するような、異なったベクトルのメッセージを出していく。インドネシア国際モーターショー(IIMS)やガイキンド・インドネシア国際オートショー(GIIAS)などの開催に向け、新しいシナリオを書いている。楽しみにしてほしい。

 ——EVのインドネシア展開について。
 欧州の一部の国や中国の新エネルギー車(NEV)規制などもあり、世界のトレンドは、EV、特にバッテリーEV(BEV)に話題が集まっている。しかし、EVはあくまで環境をよくするためのソリューションの一つで、それにはインフラが必要となる。個人的には、インドネシアにとってどの選択肢が最適か、十分に議論する必要があると考える。BEVがそのソリューションになるかは断言できない。
 電動化の必然性は国の置かれた環境や政策によって大きく差が出る。その上で、インフラ整備、財政基盤の検討、使用者のベネフィット、普及可能性など、実現性を検討する必要がある。プラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)、燃料電池車(FCV)など選択肢は多くある。ホンダは、それぞれの選択肢に知見があるので、インドネシアに貢献できることがあればいつでも喜んで対応する。(太田勉、写真も)

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