LRT車両、韓国を出発 来月初旬に到着へ アジア大会向け

 8月のアジア大会に向け、ジャカルタ特別州で建設が進む次世代型交通システム(LRT)の新車両の第1陣2車両がこのほど、韓国の馬山港(馬山市)を出港した。国内初となるLRT車両で、来月初旬にタンジュンプリオク港(北ジャカルタ)に到着する予定。

 第1陣として出港したのは全16車両のうち2車両。上海、シンガポールを経由し、タンジュンプリオク港に到着した後、北ジャカルタ区クラパガディンで建設が進む車両基地(デポ)に運ばれる。5〜6月には走行特性、振動試験、試験運転を行う。残りの車両は6月までに6両、7月までに8両が到着する予定。
 韓国の現代(ヒュンダイ)ロテムが2017年、アジア大会に向けて開通を急ぐインドネシア側に短い納期を示し、約3300万ドルで全16車両を受注した。建設を担う州営建設ジャカルタ・プロペルティンド(ジャックプロ)によると、設計から納品まで通常2年4カ月かかるところ、1年3カ月で出荷にこぎ着けた。
 ヒュンダイロテムは、短期間での納入を実現させるため、軽量電車製作の宇進産電(ウージンサンジョン)と共同で製作を進めた。車両の設計、走行装置の供給などはヒュンダイが、製作と試運転などはウージンサンジョンが担当し、分業することで効率を上げた。
 ウージンサンジョンはアルミニウム車両で軽量化を図り、消費電力を最小限に抑えた。走行時に発生するノイズを低減する弾性車輪を適用、運行時に発生する騒音を最小化した。また、車椅子固定装置やベビーカーのスペースも設けた。
 LRT車両が走るのは、ジャカルタのLRT第1フェーズにあたる、クラパガディン〜東ジャカルタ区プロガドゥンの自転車競技場フェロドローム間(5.8キロ)。16年12月に着工。ジャックプロによると、ことし3月15日時点の工事進ちょく率は66.7%。
 同区間では1月下旬、高架部分が橋桁から崩落し従業員5人が重軽傷を負う事件が発生。その後、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が全国の高架工事の一時停止を命じ、安全調査が実施されたが、同区間の工事に大きな遅れは出ていないという。
 現在は駅の建設、電気設備の設置などを行っている。各駅のホームは長さ90メートルで、停車できるのは6両編成まで。将来的には120メートルまで拡張させ、8両編成にも対応する。
 第2フェーズのフェロドローム〜中央ジャカルタ区タナアバン間(11.5キロ)はアジア大会終了後、着工する予定。(上村夏美) 

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