イランと鉱区開発 プルタミナ 原油安定供給へ
国営石油ガス・プルタミナは28日、イラン政府との間で同国マンシューリ石油鉱区の開発オペレーターとして参画することで合意、5月に契約を交わすと発表した。推定埋蔵量は15億バレル以上で、国内需要が増大する原油の安定供給を目指す。
地元メディアによると、プルタミナは80%の権益比率をリスク要素を軽減するために共同事業者と分け合う方針だ。残り20%をイラン側が持つとされている。同社関係者によると、「最終的には30%程度の権益比率になる」という。
同社は同鉱区の原油生産量を現状の日産6万バレルから5年間で同25万バレルまで高める目標を掲げている。20年間の総投資額として60億ドルを見込む。採掘した原油は生産力向上のための改修を進める、中部ジャワ州チラチャップの製油所などで運用する。
インドネシアは2016年8月にイラン国営石油(NIOC)との間で、マンスーリ、アブ・ティムール両鉱区の予備調査の協力覚書に調印。同年12月にはジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領がイランを訪問し、ロウハニ大統領と会談、エネルギー分野を中心に複数の覚書を結んだ。今回の合意は会談内容を反映した成果だ。
英系石油会社のBPによると、16年時点のイランの原油埋蔵量は1584億バレルで世界4位。ガス埋蔵量も世界埋蔵量の18%相当があるとされ、インドネシアは資源開発での協力を強化する方針だ。(平野慧)