高速料金値下げへ 大統領 物流コストを削減

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は22日、全国各地の高速道路の料金を引き下げると発表した。高速道路管理会社に与える運営権の有効期間を延長することで、1キロ当たりの料金を20〜30%引き下げる計画。大統領は物流コスト削減につなげたい考えで、早急に実施したいとしている。

 ジョコウィ大統領は関係閣僚や高速道路管理会社社長をイスタナ(大統領宮殿)に集めて値下げ案を協議。その後、大統領は「物流に関わる高速道路料金は、できる限り引き下げるよう(関係大臣に)指示した」と述べ、現在より「20〜30%」引き下げたい考えを示した。トラック運転手から「高速料金が高い」と苦情を受けていたという。
 会議に出席したバスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相によると、1980年代に1キロ200〜300ルピアだった高速料金は、2000年代に同600〜700ルピア、2010年以降は同900〜1300ルピアと上がり続けているが、インフレや建設費などを考慮すれば妥当な範囲としている。バスキ氏は、高速料金を引き下げる場合、道路の運営権を管理会社に与える「コンセッション」の期間を延長すると説明した。
 例として、東ジャワ州ンガウィ〜クルトソノ間(48キロ)を挙げ、運営期間35年、利益率15.5%、1キロ当たり1200ルピアで料金5万7600ルピアになるが、運営期間を50年に延長すれば、利益率は維持したまま1キロ千ルピアに抑えられると説明した。
 また、車種区分を大幅に変更する。これまで乗用車以外、トラックは2〜5車軸に区別して計5種類の料金体系を設定していたが、今後トラックは2種類のみとする予定。
 高速管理ジャサ・マルガのデシ・アルヤニ社長は「利益率を据え置き、運営期間を延長すれば、料金を引き下げても問題にならない。利用するトラックが増えることを見込み、すでにシミュレーションもしている」と話した。
 公共事業・国民住宅省のアリ・スティアディ・ムルワント道路総局長はこのほど、2015年に開通した西ジャワ州チコポ(チカンペック)〜パリマナン間を結ぶチパリ高速について、当初トラックの60%の利用を見込んでいたが、運転手の多くは高速料金が高額だとして、旧来のジャワ島北岸道路(パントゥラ)を利用していると指摘。また同区間の高速では、長時間停車して休めるエリアがないとの苦情も多く、道路沿いに多数の飲食店が並ぶパントゥラの国道を選ぶ理由にもなっているとの見方を示していた。(リンダ・シラエン、木村綾)

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