乳製品第1弾を発表 新ブランド「KIN」 三井物産ABCと合弁
三井物産はインドネシアでの乳製品事業を本格化させる。22日、中央ジャカルタで地場食品大手ABCグループとの合弁事業で立ち上げたブランド「KIN」の商品第1弾、飲料タイプの「ブルガリアンヨーグルト」発売を発表した。
200ミリリットル入りで希望小売価格は9800ルピア。オリジナルとストロベリー、オレンジの3種類のラインナップ。
競合する商品と比較して価格はやや高めだが、ヨーグルト大国ブルガリアからヨーグルトの菌を導入。他社商品と比較して甘さを抑えるなど、「国内に広がる健康志向に対応」(ABC幹部)し、差別化を図る。
当面は首都圏近郊のインドマレットなどのコンビニやスーパーマーケットなどに卸していく。将来的にはABCの販売網を生かしてジャワ島外に販路を拡大し、伝統市場にも供給することを目指す。
三井物産はABCとの合弁事業で酪農場運営と乳製品製造の2社に10億円ずつ出資(双方とも30%の出資比率)し、生乳調達から完成品製造まで関わる。
酪農場では最大1万頭程度の乳業を飼育し、1日160トンの生乳生産が可能だ。西ジャワ州バンドン近郊の工場は年間1億リットルの生産能力を持ち、今後牛乳やチョコレートミルクなどの新商品を開発していく。牛乳販売では先行するグリーンフィールドやウルトラジャヤとの競争となるが、原料確保から加工までの一貫した生産管理体制を強みに展開を目指す。
インドネシア三井物産食料部の前田健部長は「乳製品の販売シェア2桁を目指していきたい」と話した。(平野慧、写真も)