医療施設に5億5000万ドル 外資と協業の覚書 リッポー「メイカルタ」
大手財閥リッポーグループは21日、中央ジャカルタのアルヤドゥタホテルで、西ジャワ州ブカシ県チカランで開発を進めるニュータウン「メイカルタ」内の医療センターの建設などに向けて、欧米や中国系など計10のグローバル企業や機関との間で業務提携の覚書を結んだ。
覚書を結んだ相手はコロンビア大学メディカルセンターとユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、ノースカロライナ大学、中国電信国際有限公司など。事業への総投資額は5億5千万ドル。心臓学や神経学、リハビリテーションなど専門性を必要とする分野の医療センターを建設し、国内の医療需要に応えることを目指す。研究や人材教育も進める。
リッポーは20日にはロジスティクスや金融テクノロジー分野の外資系など9社との間で、メイカルタの共同開発に向けての業務提携の覚書を結び、総額3億ドルを投じて事業を興すと発表している。
これらの事業は研究や医療、物流などの施設を集積させる計画の27ヘクタールの地域で展開される。
メイカルタ構想では総投資額278兆ルピアに上る大規模な開発を実施することをうたっている。開発がジャボデタベック(首都圏)近郊の人口増大に伴う渋滞や住居不足などの社会問題への解決策としている。
ただブカシ県による建設許認可や銀行の住宅ローン審査などに時間がかかり、足下の開発計画は遅れを見せているとみられる。リッポーは2017年のメイカルタのマンション販売実績14万戸に対して、18年の目標はそれを大幅に下回る8万戸に設定すると発表した。
リッポーのジェームズ・リアディ最高経営責任者(CEO)は盛んに外資を導入する姿勢を見せており、今回の覚書締結に続きさらなる投資計画を進めるとしている。(平野慧、写真も)