公共交通指向の開発を ジャバベカ 人口増、交通発達見据え
西ジャワ州ブカシ県チカランの複合地域「コタ・ジャバベカ」の開発を進めるジャバベカは、チカランの継続的な人口増加や交通インフラの発達を見据え、住宅に加えて商業施設やオフィスビルの開発に力を入れる。ジャバベカのステジャ・ダルモノ・ディレクターに今後の開発計画を聞いた。
現在1600もの工場があるというコタ・ジャバベカ。ステジャ氏が力を入れたいと語るのが、公共交通指向型開発(TOD)だ。
ステジャ氏は「電子商取引(EC)の台頭にかかわらず、日本の小売りが米国や欧州に比べてうまくいっているのはTOD型の都市開発が成功したからだ」と強調する。
ステジャ氏は「東京ではほとんどの人が公共交通機関を利用するため、駅ビルに人が流れてくる」と説明、「TODに向けて東京で調査を行っている。さらに近く、複数の日系企業とコンソーシアムを組む。ジャバベカに開発予定の高級モール、プラザ・インドネシアも将来的には(新たに建設されるであろう)駅と直結させたい」と述べた。
今後の開発計画について、まずはプラザ・インドネシアをはじめとする商業施設、ホテルを建設し、「将来的にはオフィスを含むセントラル・ビジネス地区(CBD)にしたい」と意気込む。プラザ・インドネシアは年内に着工、2〜3年後に開業する見込みという。(坂田優菜、写真も)
TOD 公共交通機関を中心に据えた都市開発のことで、中心となる駅やバス停などの徒歩圏内に商業施設やオフィスなどを複合的に集中させる。交通インフラの強化に伴い、国内で近年注目を集めており、スカルノハッタ空港(バンテン州タンゲラン市)では2月末にターミナルと直結した商業施設「TODビル」が開業したほか、建設中の大量高速鉄道(MRT)、次世代型交通システム(LRT)の複数の駅でもTODをコンセプトにした開発が進む。