MRT車両、豊橋港出発 第1陣12両 26日にプリオク港到着
ジャカルタで建設が進む大量高速鉄道(MRT)の新車両を乗せた船が7日、豊橋港(愛知県豊橋市)からタンジュンプリオク港(北ジャカルタ)に向かって出港した。州営MRTジャカルタ(MRTJ)によると、第1陣は6両編成2本の計12車両で、タンジュンプリオク港に26日に到着する予定。
MRTの車両は、住友商事と日本車輌製造の企業連合が受注しており、1編成6両で計16編成・96車両を納入する。
車両は2月下旬、日本車輌製造の豊川製作所(同県豊川市)から豊橋港までトラックで運ばれ、3月5日ごろまで同港で積み込み作業が続けられた。ジャカルタ到着後は、南ジャカルタ区ルバックブルスに建設中の車両基地(デポ)に運ばれる。
ウィリアム・サバンダル社長らMRTJの職員も2月、車両確認や輸出工程などを見守るため愛知県を訪問。ウィリアム社長は豊川製作所内にある線路での試験運行などを視察した。車両の完成に感謝するとともに「期待通りだ。引き続き同様の品質の車両を送り届けてほしい」と話した。
MRTJによると、車両は無線式列車制御システム(CBTC)で運行される。国際公共交通連合(UITP)が定める基準の4レベル中、初期段階の一つ上となるGoA2で、運転士はドアの開閉と発進操作のみを担当し、発進後の速度調整や停止は自動となっている。
1編成で最大1200人が利用でき、1日の利用客数は17万3千人を見込む。運賃は1万7千〜2万ルピアになるとみられる。
第1期工事はルバックブルス〜ホテル・インドネシア(HI)前ロータリー間(15・7キロ)で、建設の進ちょく率は90%を超えた。2019年3月の開通を目指している。
7日には、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領や同州のアニス・バスウェダン知事、ブディ・カルヤ・スマディ運輸相、ナスデム党のスルヤ・パロ党首らがHI前ロータリー駅やスナヤン駅などを視察した。ジョコウィ大統領は「計画通りに建設を進め、19年3月に開通させたい」とあらためて強調した。
第2期となるHI前ロータリー〜北ジャカルタ区カンプン・バンダン(約8キロ)間も日本が受注する見通し。首都圏東西を結ぶ第3期の計画も進められている。(毛利春香)