強まるルピア下落圧力 中央銀行 市場介入を示唆 (2018年03月07日)

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 米国の金融政策など外的要因が大きく影響し、通貨ルピアの対米ドル下落圧力が強まっている。資本流出が目立つ状況ではないが、中央銀行は長期にわたる経済への悪影響を防ぐために、相場が一定のラインに達した場合のドル売り・ルピア買いによる介入の可能性を示唆している。
 3月に入ってから為替レートはおおむね1ドル=1万3700ルピア台で推移している。
 米国の利上げによりルピアが弱含む懸念は従来より言われてきたが、2月27日に米国の連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が3月中の追加利上げ、さらには「景気見通しは強まっている」として年計4回の利上げを示唆したことでドルが上昇した。
 一方で新興国通貨のルピアは下落傾向に。ルピア売りに関しては、2015年9月に米国金融政策や中国経済の不透明感などを原因に、アジア通貨危機以来最安水準となる1ドル=1万4600ルピア台を記録した例がある。現在は当時と比較して外貨準備を積み増し、通貨防衛能力を高めている。
 中銀幹部は、輸入依存度が高い産業が原材料の価格高騰による大打撃を受けることを防ぐためなどを理由に、1ドル=1万3800ルピア台をラインに、為替市場に介入する方針を示している。国際金融の専門家は「2月末にグローバル・イスラム国債(スクーク)発行で30億ドルを調達した背景には、金利が上がる前にドルを確保しルピア買いの資金とする狙いがあったのでは」と話す。識者の中では為替介入により現在の水準よりも大きくルピア安に動く可能性は低くなり、目先の相場はこう着するとの見方が多い。
 スリ・ムルヤニ財務相は「インドネシア経済のファンダメンタルは良い状態だ」と強調し、18年予算のマクロ指標を1ドル=1万3400ルピアから変更する予定はないとしている。
 足下では外国人投資家の資本流出の動きは目立っておらず、株価は下落してはいるが依然として6500ポイント周辺を維持、高い水準を保っている。国債についても18年も安定して買われるとの見方が強い。
 ただ、「世界の市場では新興国通貨が売られる警戒感はくすぶっており」(中銀幹部)、中銀は景気刺激のための利下げにますます動きにくい状況にきているのは確かだ。
 インドネシアに与える影響が大きい中国経済が全国人民代表大会を経て減速局面に入る可能性もあり、中銀は慎重な舵取りを求められている。(平野慧)

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