「輸出産業成長に期待」 りそなプルダニア銀 新社長平松氏
設立60周年を迎えたりそなプルダニア銀行。田原敦前社長からバトンを引き継ぎ、2月付けで新社長に就任した平松一郎氏は1月までりそな銀行本店で国際事業部長を務めていた。インドネシアへの思いや抱負を聞いた。
――インドネシア経済についての印象は。
平松氏 人口も多く、輸出産業が成長してきており、不安より期待の方が大きい。2017年後半から、顧客の進出についての相談も増えている。内需を狙ったサービス業や不動産業がその中でも多い。
――りそなの強みとは。
長い間、取引を続けているつながりが強い企業が多く、進出企業とニーズが合いそうな顧客とのビジネスマッチングを図ることができることだ。日系企業には必ず日本人の担当者をつけている。人数が減ってきて厳しい面はあるが、当行のビジネスモデルとして継続していく。
――りそなグループは17年にAFCマーチャント・バンクを買収しているが、インドネシアへの影響は。
シンガポールはアジアの情報が集まる拠点だ。顧客のビジネスマッチングなどの面で役立てるべく情報交換を活発に行っている。
――メガバンクには地場の銀行に増資、買収を目指している動きがあるが。
りそなは買収などを具体的には検討していないが、資本規模を大きくしていく。商業銀行としてのグレードを現状から、コア資本が5兆ルピア以上が対象となるところまで引き上げていきたい。株主の方々に働きかけている段階だ。
――インフラ向け融資についての展望は。
メガバンクのように直接的に融資することは考えていない。ただ、顧客にはインフラ向け事業に深く関わっている企業も多い。積極的に融資していくことで間接的に発展に貢献していきたい。(平野慧、写真も)
日系合弁企業第1号 地域密着で変化対応
インドネシアの日系合弁企業第1号のりそなプルダニア銀行の前身に当たるプルダニア銀行は1958年に旧大和銀行によって設立された。当時は日系企業がほぼ皆無の状態で、顧客は地場企業が中心、西ジャカルタ区コタのマンガブサール通りに本店を構えた。その後、繊維や二輪、四輪といった業界の投資や進出が続き、日系企業に地場企業を紹介するなどの業務で強みを発揮し、顧客と共に発展してきた。
60年の間に平成不況やアジア通貨危機、りそな銀行本体への公的資金注入などの存続の危機があったが、香港の東亜銀行の出資を受け、自己変革を続けたことにより存続して事業を拡大している。
プルダニアの語源はインドネシア語の「商業」、「工業」、「農業」を組み合わせた造語。地域密着の姿勢を保ちつつ、インドネシア経済の変化に対応して展開していく。