第4工場を建設 アストラ・ホンダ 投資額275億円 スクーター専用に
インドネシア二輪大手のアストラ・ホンダ・モーター(AHM)社は西ジャワ州カラワン県のブキットインダ工業団地に、年間生産能力百十万台のスクーター専用の第四工場を建設する。投資額約二百七十五億円(約三兆千二百八十億ルピア)、工場稼働は二〇一三年秋の予定。本格稼働後は、今年の年間生産能力から二割増となり、拡大する国内二輪車市場で一層のシェア拡大を図る方針だ。
AHM社はブキット・インダ工業団地内に八四・一ヘクタールの造成前の用地を取得し、うち一六・三六ヘクタールに新工場を建設する。
同社は昨年七月、西ジャワ州チカランにある工業団地「MM2100」の第三工場内に年産五十万台のスクーター専用工場を稼働させた。さらに今年三月に同工場の一部設備の増強、組み立てラインの三交代化で二十万台を加え、四百四十万台の生産体制を構築する見込み。新工場が稼働する一三年秋から、二十万台分の増強を新工場に移管。年間の総生産能力は五百三十万台となる。
インドネシア二輪市場は二〇〇九年に五百八十五万台、一〇年七百三十七万台と著しく伸びており、昨年は過去最高の八百一万台を記録した。とりわけスクーターの需要が旺盛だ。昨年のスクーター市場は四百十五万台で総市場の五割超に達した(すべて二輪車製造業者協会=AISI調べ)。スクーターの比率が四〇%台のベトナム、タイに比べ、スクーターが割安で燃料価格が安いことなどから、インドネシア二輪市場ではスクーターがトレンドになっている。
同社はこの需要に応え、段階的にスクーターの生産能力を引き上げてきた。二〇一〇年初頭に八十二万台だったが、第三工場のライン増強で、今月中に二百四十万台まで増える見通しで、新工場が稼働すれば三百三十万台に届く。
AHM社は昨年、販売台数四百二十七万台(市場シェア五三・三%)で二輪業界首位。今年は総市場が八百七十万台まで拡大し、二〇一六年ごろ一千万台市場に成長するとみている。