二輪車規制は違法 最高裁 知事令の撤廃命じる
中央ジャカルタの目抜き通りで2015年から実施されている二輪車の通行規制に関する行政訴訟で、最高裁判所は8日、規制を規定したジャカルタ特別州知事令の撤廃を命じる判決を下したと発表した。判決は昨年11月21日付。
二輪車の規制は、イスタナ(大統領宮殿)西側のメダン・ムルデカ・バラット通り〜ホテルインドネシア(HI)前ロータリーまでのタムリン通りで実施され、規制時間は午前6時〜午後11時。
オンライン配車サービスの二輪タクシー運転手、記者、弁護士からなる原告は昨年9月、この規制を定めたアホック元知事時代のジャカルタ特別州知事令(14年195号)とその改定令(15年141号)の条項が、人権法と道路交通法に違反していると訴えた。
最高裁は判決文で、交通管理について「利用者に有益で、安心安全、公平性などを担保しなければならない。自治体はその責任を持つ」とし、二輪規制は「車両の流れを円滑にするための解決方法ではない」と指摘。州政府に対し知事令の撤廃と100万ルピアの賠償金支払いを命じた。
規制解除を公言していたジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事は8日、地元メディアに「ジャカルタは住民全員のもの。二輪車も四輪車も州内のどこにでもアクセスできなければならない」と述べ、「最高裁の判決により、私たちの考えが強化された」と話した。(中島昭浩)