平穏にクリスマス 厳戒の中、2500万人が祈り アニス知事も教会訪問

 クリスマスイブとクリスマスの24、25両日、インドネシア各地の教会でミサやイベントが開かれ、約2500万人のキリスト教徒が祈りを捧げた。各教会ではテロなどを警戒し、厳戒な警備体制を敷いた。イスラム教徒が9割近くを占める国内で多様性と統一の重要性が叫ばれている中、平穏なクリスマスとなった。

 イスラム教徒のアニス・バスウェダン・ジャカルタ特別州知事とサンディアガ・ウノ副知事は24日夜、中央ジャカルタにあるジャカルタ・カテドラル(大聖堂)など同州内にある六つの教会へ足を運んだ。
 アニス知事はカテドラルで「クリスマスはキリスト教徒だけでなく、ジャカルタ市民全員に平和と幸せをもたらすことができる。ジャカルタがすべての市民の家となるよう、共に平穏と平和を目指し団結しましょう」と呼びかけた。
 同知事は就任の10月以降、中央ジャカルタのモナス(独立記念塔)広場を宗教活動の場として開放。同広場はキリスト教徒のアホック元ジャカルタ特別州知事への抗議集会の拠点となり、アニス知事就任後もイスラム団体による大規模集会が開かれる中、キリスト教団体にも利用してもらおうと、クリスマス集会の開催を提案したが、インドネシア教会連合(PGI)は拒否した。
 そのため、クリスマス集会はクマヨランの国際展示場(JIエキスポ)で1月5日に実施する予定となっている。
 一方、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は25日、自身のツイッターアカウントで「インドネシアのキリスト教徒のために、私はクリスマスを祝う。インドネシアの宗教の多様性はすべての人を祝福する」と投稿した。
 カテドラルでは24、25の2日間で、計8回のミサが行われ、向かいにあるイスティクラル・モスクでは、同教会の訪問者のために駐車スペースが提供された。800人収容の聖堂、600人収容のホール内に入りきらないため、外に3000席が設けられた。同教会では警察、国軍(TNI)200人以上が警備し、爆弾処理班も配備された。
 同教会でミサ運営を手伝ったフレデリカ・アレクサンドラ・エマさん(28)は「家族がスラバヤ市(東ジャワ州)に住んでいて、ことしは一緒に過ごせないことが悲しい。でも、こうしてたくさんの人が集まり、ことしも穏やかにクリスマスをお祝いすることができてうれしい」と話した。(毛利春香、上村夏美) 

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