7世紀の交易大国 国立博物館 スリウィジャヤ特別展
中央ジャカルタの国立博物館で、特別展「都市国家スリウィジャヤ——偉大な海洋帝国」が開催されている。インドネシア最初の国家とされ、交易大国だったスリウィジャヤ王国時代の香辛料貿易などについて知ることができる。
スリウィジャヤ王国は7世紀ごろ、マラッカ海峡を挟むスマトラ島とマレー半島を支配、以後数百年以上、香辛料などの中継貿易で繁栄した。特別展は、唐の僧侶義浄が671年、インドに向かう途中、同国を訪れた記録から始まる。
王国は、首都パレンバン(南スマトラ州)やジャンビ(ジャンビ州)などの都市を訪れるアラブやペルシア、中国などを行き来する船に課税することで富を築いた。貿易品は香辛料や絹、象牙、金銀、香木、樹脂など多岐にわたる。交易により、ヒンドゥーや仏教、儒教、イスラムなど、あらゆる宗教や人種が混ざり合う国際都市に発展した。
展示では、交易の対象になったナツメグやシナモン、クローブなどの香辛料やひよこ豆などが並び、ヨーロッパ人による大航海時代のはるか以前から、インドネシア地域で香辛料貿易が活発だったことを思い起こさせてくれる。また、スリウィジャヤ王国研究の歴史資料も展示されている。 A、B両棟からなる同博物館は現在改修工事中。
現在は同特別展および常設展のあるB棟のみが開館している。2018年には新たにC棟が完成する予定。
特別展は28日まで。開館は火〜金曜が午前8時〜午後4時、土、日曜が午前8時〜午後5時。入場料はインドネシア人が5千ルピア、子ども2千ルピア、外国人は1万ルピア。(坂田優菜、写真も)