スラバヤに2号店開店 日イ夫妻のこだわりケーキ店 在留邦人らの要望に応え

 東ジャワ州在住の邦人らに人気のケーキ店「パティスリー・アフマドアリス・宇田川」の2号店がこのほど、同州スラバヤ市内のパクウォン・モール内にオープンした。経営者は、同州クディリ市内で2014年7月に同店を始めたインドネシア人パティシエのアフマド・アリスチャキムさん(38)と妻の宇田川朋美さん(39)。繊細でおいしいケーキが食べられると人気が高まり、「スラバヤにも店を構えてほしい」という客らの声に応えた。
 同モール2M階にある2号店は現在、仮店舗としてショーケースを置いて営業中。12月には、日本の飲食店や雑貨店などが入る日本をイメージしたフロア「リトル東京」が完成し、カフェとして同フロア内で本格オープンする予定だ。
 現在、商品はクディリ市の1号店で作り、スラバヤ市まで運んでいるが、カフェのオープンに合わせスラバヤ市内でケーキ作りを始め、カフェでデコレーションなどの最後の仕上げを行うという。カフェの座席数は20席ほどで、紅茶やコーヒー、日本の緑茶も用意する。
 アフマドさんは日本で菓子作りを学んだパティシエ。14年の1号店オープン以来、新しい味や旬の素材を取り入れながら、こだわりのケーキを作ってきた。「おいしいケーキ屋がある」と口コミで広がり、わざわざスラバヤ市からクディリ市まで足を運ぶ客も増えた。
 10月初旬に2号店が仮オープンするまでは、スラバヤ市在住の日本人向けに月1回、クディリ市から配達を実施。日本人が多く住むアパートなどを5、6カ所回って商品を届けてきた。1回の注文でケーキなどを10個以上購入する人もおり、毎回の配達時にはケーキ約500カットを運んだという。
 アフマドさんによると、画像投稿ソーシャル・ネット・ワーキングサービス「インスタグラム」では、ショートケーキやロールケーキの写真を投稿する、華人を中心としたインドネシア人が増えている。海外に行ったことがある人も多く「シンプルなものや、甘さ控えめで果実がフレッシュなものなど、健康志向に合わせてケーキも選ばれるようになってきている」と分析する。
 一方で、生クリームを使ったケーキは繊細で品質管理が難しく、配達時にも気を遣ってきた。少しでも崩れたものは販売しない。朋美さんは「常に高品質なものを提供できるよう、すごく神経を使っている」と話した。
■お金で買えないもの
 地方にある小さな田舎町のクディリでは「2〜3万ルピアを稼ぐのが大変な人もたくさんいる」と朋美さん。母親の誕生日においしいものを食べさせたいと、10万ルピア札を握りしめて来店する若い兄弟や、大きなケーキを丸ごと買うお金がなく、小さくカットしたケーキにメッセージ・プレートを付けてほしいと頼む人もいる。
 「うれしそうに買って行く姿を見るのが、本当にうれしい。お金には代えられないものだから」と朋美さんが話せば、アフマドさんも「ケーキは特別な時に食べられるものだから、やりがいが大きい」と語る。
 家族や友人に食べてほしいと、日持ちのする焼き菓子をバリ島など遠方へ送る人や、クディリ市でまとめ買いしたケーキを車で中部ジャワ州ソロ市やジャカルタ特別州へ電車で持っていく人もいるという。(毛利春香、写真も)

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